5.本日は晴天なり
三日ほど降り続けた雨は夜のうちに止み、その日は前日までの雨が嘘のように青空が広がっている。 雨上がりの道に点々とある青空や太陽を映している水たまりを踏みながら歩けば、反射する光が目の端でちらちらと光っているのが見える。 俺は『次に晴れた日…
本日は晴天なり
4.村雨の傘の下で
その日は朝から空がどんよりと曇っていて、雨の前のような湿った、重たい空気が西京都中に吹き溜まっているような錯覚さえ覚える日だった。 案の定、昼過ぎ辺りからどんどん空が暗くなり出したかと思えば、授業を終えた生徒たちが家路につく頃には雨が降り…
本日は晴天なり
3.出来すぎた外持雨
試験勉強の為だと自分に言い訳を五つくらい重ね、翌日も図書館に来てしまった。苦しいにも程があるが、確かにこのまま帰宅してもどうせ試験勉強に身が入るとも思えないからどっちみち捗らないならばと彼に会える事を半ば期待しながらいつもの席に向かう。 …
本日は晴天なり
2.上の空は薄曇り
「……い、先輩、火!」 耳元でした声にハッと我に返る。手元を見るとフライパンの中に焦げてひと塊になった炒飯だったものが香ばしいをギリギリ通り越した香りを上げている。「あ……悪い、焦がした」 焦げすぎたところを避けて皿に移す。パラパラとは程遠…
本日は晴天なり
1.忘れもしないかの秋旻
彼と出会ったのは、高校に通っていた頃だった。 出会ったのは、と言っても初めて会ったときに特別印象に残る出来事があったとか、そんな運命的なものは全くない。ただ、たまに行く図書館で見かけることが多かった、という程度の数少ない接点であった。 *…
本日は晴天なり